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メルボルン発、関連する複数の仕事や勉強、ボランティア活動、子育て=パラレルキャリアの日々をつづります。

『体質と食物』

『体質と食物~健康への道』秋月辰一郎著(出版年 平成22年1月)

長崎で被爆しつつも被ばく症を発症することなく、秋月辰一郎医師は天寿を全うし、2005年10月22日に89歳で亡くなりました。

『体質と食物』はB6サイズ以下厚さ5ミリほど61ページの小さな本です。彼は虚弱体質や持病の結核を克服したいと思って医師になりました。しかしながら、「結果医術」(対症療法)でしかない現代医学は医学の本来の姿でないと感じ、「体質医学」を求めました。「それは、人間の体質を作り変えることが医学の本来の姿であるという信念による。」(同書7ページ)
そして、体質を決定するものは食物であると確信するに至りました。体質は生まれつきのように思われても、彼自身の経験から「実は日々作られるもの」であり、「環境が作っていく」もので、環境の中でも「食物がそれを代表している」(11~12ページ)と述べています。

体質は人種でなく、風土が作り上げる。食物についても同じ。日本人は五穀が主食であり、「日本人の身体は、米・麦・大豆から成り立っている。」そして彼は味噌の重要性に気づきました。「揚げ豆腐とわかめとを実とした味噌汁は、日本人の本当の要の食品であると確信した」と。(15~16ページ)
そして被ばくした病院の地下倉庫に保存してあったわかめと味噌の味噌汁によって、彼や病院従業員に被ばく症が出なかったと語っています。

味噌がなぜ効果があるのか?彼は科学的に証明できるといいます。(実際に証明されたからこそ、チェルノブイリに輸出され、被ばく症予防に使われたのではないでしょうか)

味噌には良質の油脂とミネラルが含まれていて、「私たちの放射能の害を一部防禦してくれたのである。この一部の防禦が人間の生死の境においてきわめて重要なのである」(24ページ、太字は本文中では傍点)

彼は医学の進歩を否定することなく、現代医学に基づいて患者さんを治療しました。ただやはり、体質にはこだわっていました。人間の体質を変えなければ新薬や手術だけではどうにもならない、いや、「新薬や手術が効果のある体質にならねばならないのではないか。」(25ページ)と。

彼は父親としての立場でも、「毎日味噌汁を欠かさないことは親の義務だとさえ考えている」と述べています。(32ページ)

この本の後半は、味噌や味噌汁の成分と医学的考察が書かれています。
味噌には蛋白質、脂肪、ミネラル、細菌類が豊富に含まれています。特に菌類は大腸で他の食品の消化を助ける、食物相互の消化作用とあるといいます。乳酸菌が多種含まれているので、腸内の腐敗を防ぎ、若々しく老いることを可能にする、とも。

私は東日本大震災による原発事故が発生した時にこの本を見つけて、日本の親類に知らせ、取り寄せました。両親には震災後すぐにわかめの味噌汁を摂るようにすすめました。
私自身肉食を止めたこともあり、また、子どもたちはヨーグルトなどを食べないので、必然的に味噌だけでなく豆乳や豆腐、納豆などの大豆製品をたくさんとるようになり、毎朝わかめ、野菜、油揚げのお味噌汁はかかせなくなりました。主食がパンでもお味噌汁という。。。子どもたちも大好きです。このお味噌汁を食べる習慣は、ずっと続けていきたいと思っています。

彼の体験は戦後すぐの話ですが、今でも基本的なことを語ってくれていると思います。
ここはオーストラリアですけれども、今は普通のスーパーでもMISOが手に入ります。日本でももちろん、毎日味噌汁を摂ればこれで必要なミネラルも補えるし、子どもたちに日本の食文化も継承できて、いいんじゃないかなぁと思います。



秋月辰一郎医師に感謝を込めて。。。