オーストラリアで妊娠中、何回超音波検査を受けるでしょうか?
鍼灸のほうで、婦人系疾患の治療や妊娠前から産後にからむご依頼を受けていて、妊娠出産のことはとても身近です。
そして私自身、日本とオーストラリア両国で1回ずつ出産経験があります。
日本の常識がオーストラリアでは非常識というのは常々体験していますが、妊娠・出産も例外ではないです。
例えば超音波検査(ウルトラサウンド)。
日本では妊娠判定から出産近くまでの検診で、当たり前の超音波検査。
タイトルの答えは、
40週から42週でたったの2回です。(異常がなければ)
でもそれが1回になりつつある??
オーストラリアではウルトラサウンド検査は高額で、公立病院での妊娠ケア〜出産は無料。
このためか、ウルトラサウンドは12週までと20週の2回が基本で、それ以外は妊娠の状況でドクターの指示によって検査を受けることになります。
妊娠中のウルトラサウンド回数が少ないのが当たり前のオーストラリア。
希望して受けさせてもらえるものわけでもないです。
どんなに回数が少なくても、心拍確認のウルトラサウンドと20週の遺伝子病判定で2回は受けるだろう、と今までは思っていました。
でも最近、GPでの妊娠判定は血液検査のみで、12週のウルトラサウンドは無し、いう話を聞きました。
えー!!1回だけに?!
小さな命がピクピクしているのが目でわかる心拍確認、なくなったんですかね?
って思ってたら、今日びっくりなニュースが!
メルボルンの新聞The Ageでみたんですが、ネットではThe Sydney Morning Herald。
両紙は提携してます。
調べたら、先週The Ageで先行記事がありました。
ちなみにオーストラリアでは、ウルトラサウンドを行うのは医師でなく、ソノグラファー(超音波検査技師)。
「性別を教えてほしい。女の子なら中絶するから」って言われたら。。。
ソノグラファー、辛いと思います。
現に、今日の記事によると中国系のオージー、永住者は男子を好む傾向があり、統計もいびつになっています。
20週までならオーストラリアでは医療的中絶手術が受けられます。
ちなみに私ごとですが、次男を妊娠中、遺伝子の異常をみる血液検査でダウン症の疑いがある、と出ました。
オーストラリアでは胎児に遺伝的障害があるとわかった場合、カップルは暗に中絶を勧められます。(と私は感じてます)
血液検査の結果がそんなんだったので、20週の定期検診のつもりで行ったら「遺伝カウンセリング」でした。
個室に通されて、通訳さん(普段はついてもらってなかったのに!)と医師が来て。
私はかなり混乱しました。
「産むか、産まないか。」
羊水検査を受けることを強く勧められましたが、その検査で受けるリスクのほうがダウン症の確率より高かったし、障害があることがわかるのも嫌だったので断りました。
その後追加の(3回目)ウルトラサウンドで、首の後ろの隙間が3ミリ以下で。
生まれてきた次男にダウン症はありませんでした。
妊娠初期はお腹の赤ちゃんの実感がないので、ウルトラサウンドで赤ちゃんが元気か確認したいと思うし、産まれる前に性別を知りたい人もいる。
でも一方で、記事のような目的でウルトラサウンドを使う人もいる。
科学技術の発達と生命倫理。
これは私が大学1年の時から関心を持ってきたことですが、悩ましいことです。
(日本の現状は下記のリンクで)
妊娠出産に限らず、オーストラリアの医療は日本と大きく違います。
公的医療と私的医療でもまた違います。
今後医療情報も発信していこうと思ってます。