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日本・AUS・NZ、はり師就労事情

カテゴリ:鍼灸関連

 

私は30ちょい過ぎで日本を出たので、日本のことに疎くなっています。

 

ここ10数年の日本の鍼灸業界には私は納得いきません。

 

2000年頃までの日本では、はり師免許=開業・自営業が当たり前でした。

 

類似業界で雇用されていたのは、整形外科や柔道整復師整骨院です。

 

最近ははり師免許に柔道整復師の免許もとる人が増えたみたいで、

業界がめちゃくちゃになっているようです。

(つまり、はり師も柔道整復師みたいに雇用される職業になってきている)

 

オーストラリアもはり師は開業・自営業が当たり前。

 

誰かのところで働くにしても雇用employmentでなく、歩合contractや間借りsublease。

 

さて、お隣のニュージーランドは?というと、オーストラリアと事情が違い、どちらかというと日本と似たような状況になっています。

 

その違いは、健康保険制度にあると私は思います。

 

日本:整骨院で公的保険を使った治療を受けられる。同じクリニックで保険適用外で受ける鍼治療は自費。

 

オーストラリア:医師が施術する鍼治療は、公的保険(メディケア)で治療を受けられる。どこにおいても鍼治療は自費(私的保険(ヘルスファンド)加入者は治療費の一部還付を受けられる)。

 

ニュージーランド:事故保険取り扱い施術者のいるクリニックで、事故(と言っても家でよろけてギックリ腰とかも受療理由になる)に関わる身体的精神的な疾患・症状に対する公的保険(ACC)を使った治療を受けられる。私的保険(ヘルスファンド)という制度はないので、同じクリニックで事故以外で受ける鍼治療は自費だというけれど、どうでしょう。

 

家で赤ちゃんを抱き上げたときにギックリ腰になったなどに対し、鍼治療も公的保険が効くのはありがたい感じもしますが、いろいろと問題があります。

オーストラリア・ビクトリア州にもACCのようなTACという交通事故で負った症状に対し、保険が効く制度や、ワークカバーという労災保険がありますが、術者と患者の利害が一致して、治療が長引く場合が多いです。

 

双方、早く治らない方が都合がいいのです。

 

日本の整骨院にも似たような問題、ありますよね。

 

日本の整骨院での働き方が好きなはり師は、NZで保険取り扱いのはり師をするのが向いていると思います。

 

でも私としては、せっかく海外に出るのであれば、オーストラリアでJapanese needle therapy(日本式はり・日本の触れるだけとか穏やかな鍼治療で、中国的針刺しとは違う施術)で開業して、オーストラリア人の健康に貢献してほしいなぁと思います。