マスクの効果 理論と応用 湿度で異なる理由
買い物と訪問介護中はマスクをしている、Yoshiです。
マスクの使われ方について。
オーストラリアでは、元気な人はマスクを着けるな、と公文書に書かれています いました!
在宅命令発効前に、ブロックアーケードのリフト前に貼ってあったポスター
DON'T wear a mask if you are well.
しかし、今日見たら在宅命令バージョンにしら〜っと刷り変わってました!
ちょうど、大学院のPublic Translationでは世界的に著名な先生に、「法律がめまぐるしく変わってて、素人やプロが公文書を翻訳して公表しているけど、著作権の問題があるし、どうなってるか知ってる?」と聞いた、そのタイミングで、多言語対応になりました。
日本語の文面は下記の通り
Quote START===
Coronavirusの感染拡大を防ぐために。
外出を控えましょう。命を救うために。
手洗い( 石鹸をつけ、流水で20秒間以上)を励行する。
ペーパータオルまたはハンドドライヤーで乾かす。
目、鼻、 口に手を触れないようにする。
咳・くしゃみをするときはティッシュで鼻と口を覆う。
ティッシュがなければ、上腕部の袖またはひじの内側で覆う。
医師にかかる必要があるときは、かかりつけの医師またはホッ
トライン(1800 675 398)に電話する。電話での指示に従う。
健康的な習慣-運動、水分補給、十分な睡眠-を心がける。
アルコール消毒液(アルコール分60%以上)を購入する。
この出版物の障がい者用フォーマットを希望する場合は
以下に連絡してください。 COVID-19@dhhs.vic.gov.au
www.coronavirus.vic.gov.au/japanese
より詳しい情報はこちら:
不安がある場合は
coronavirus ホットライン(1800 675 398)に電話する。(24時間対応)
通訳が必要な場合はTIS National (131 450)に電話する。
救急の電話番号(000)は緊急の場合のみ使用する。
END===
ということで、
マスクの項目が削除されてる!!
ということは、おおっぴらにマスクしてもOKなのね〜♪
今朝は、マスクについてのこんな新聞記事も。
アジア諸国でコロナウィルス封じ込めに、マスクが役立っている可能性がある、という新エビデンス(証拠)をWHOがレビュー(査読)
同じく、ザ・ガーディアン紙
マスクの使われ方
医療現場では、医療従事者が感染を避けるために、Personal Protective Equipment(PPE)として着ける
一般では、感染している人がウィルス拡散防止のために着ける
「原則」をどこに持って行くか。
元気な人も無症状感染しているとするなら、みんながマスクした方が感染拡大を防げますよね。
マスクの話で、拡散されているフェイスブックの投稿。
この方のだんなさんが言うことは、話半分で聞かなければなりません。
なぜなら、マスクを売る立場の人だから、残念ながら利害関係ができています。
ブラウン運動について、私、高校時代勉強してないので、全く知らず。
高校の科学(物理・化学・生理学など含む)の先生をしている彼に聞いたら、
それは理論上でね、と。
物理学の理論上、空気は液体である。
へ?
空気は気体、と普通は思いますよね?
でも物理学的には空気は液体で、ウィルスの粒子は液体に浮かんでいることが前提。
「理論上、粒子は液体の中で、ブラウン運動Brownian Motionを起こし、繊維に付着する。」
私の彼の説明では、
空気は液体である。
空気の湿度の影響あり。
呼気(人体が吐きだす息)は、水と二酸化炭素でできている。
なので、マスクを着用して息を吐きだす時に、マスクが粒子の拡散を防止できるかどうかは実験で実証できる。
ただし、空気中の水分は、家の中、外、QLD、ビクトリア、様々なので、湿度との関係が重要。
理論的に、空気が湿っているほうが、吸気でもマスクの効果を得られる。
(だから京都大学の宮沢孝幸先生は梅雨に期待しているんですね)
理論はラボ内環境、宣伝されているような、マスクで%感染を予防できると書いてあるのは、人体から出る呼気に対しての効果。
では現場では?
医療従事者のPPEとしてのマスクの効果を調べた、UNSWとハノイの病院のRCT共同研究では、布マスクは、効果どころか害があるという結果。
https://newsroom.unsw.edu.au/news/health/cloth-masks-%E2%80%93-dangerous-your-health
BMJ掲載論文はこちら
https://bmjopen.bmj.com/content/5/4/e006577.full
布マスクが使われているベトナムには、こんな研究も。
https://www.ijidonline.com/article/S1201-9712(12)00655-8/fulltext
なので、結論としては、
無症状感染していることが前提で、自分の吐きだす息によって人に感染させないことを目的に、マスクを着ける。
そうすると、布でも、医療用でも素材は問わず、マスクの効果がある。
明らかにウィルスの多い医療現場で、感染しないこと(予防)を目的にする場合には、布マスクでなく、N95レスピラトリーマスク。
というわけで、公衆衛生としてコロナ感染拡大を防ぐには、マスクは(素材はなんであれ)有効だろうということになりますね。
しかも、マスクを着けて呼吸すると、吐く息に含まれる水分がある程度残るので、気道は湿度を維持できます。(空気が乾燥しているほど、モイスチャー効果は高い)
鼻、口、気道の粘膜がしっかり免疫バリアとしてはたらくには、湿度が必要なんです!
というわけで、マスクをつけると免疫維持にもなるんですね。
オージーも、自衛のためでなく他衛(造語)のために、マスクしてほしいと切に願います。