オーストラリアの通常医療・代替医療・看護・介護について+趣味

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マスクの効果 理論と応用 湿度で異なる理由

買い物と訪問介護中はマスクをしている、Yoshiです。

 

マスクの使われ方について。

 

オーストラリアでは、元気な人はマスクを着けるな、と公文書に書かれています いました!

在宅命令発効前に、ブロックアーケードのリフト前に貼ってあったポスター

f:id:ahappiermedium:20200403082335j:plain

 

DON'T wear a mask if you are well.

しかし、今日見たら在宅命令バージョンにしら〜っと刷り変わってました!

https://www.dhhs.vic.gov.au/sites/default/files/documents/202003/Slowing%20the%20spread%20of%20coronavirus_Poster_A4_English-30032020.pdf

 

ちょうど、大学院のPublic Translationでは世界的に著名な先生に、「法律がめまぐるしく変わってて、素人やプロが公文書を翻訳して公表しているけど、著作権の問題があるし、どうなってるか知ってる?」と聞いた、そのタイミングで、多言語対応になりました。

 

日本語の文面は下記の通り

Quote START===

Coronavirusの感染拡大を防ぐために。

外出を控えましょう。命を救うために。

 

 

手洗い( 石鹸をつけ、流水で20秒間以上)を励行する。

ペーパータオルまたはハンドドライヤーで乾かす。

目、鼻、 口に手を触れないようにする。

咳・くしゃみをするときはティッシュで鼻と口を覆う。

ティッシュがなければ、上腕部の袖またはひじの内側で覆う。

医師にかかる必要があるときは、かかりつけの医師またはホッ

トライン(1800 675 398)に電話する。電話での指示に従う。

健康的な習慣-運動、水分補給、十分な睡眠-を心がける。

アルコール消毒液(アルコール分60%以上)を購入する。

 

この出版物の障がい者用フォーマットを希望する場合は

以下に連絡してください。 COVID-19@dhhs.vic.gov.au

www.coronavirus.vic.gov.au/japanese

より詳しい情報はこちら:

不安がある場合は

coronavirus ホットライン(1800 675 398)に電話する。(24時間対応)

通訳が必要な場合はTIS National (131 450)に電話する。

救急の電話番号(000)は緊急の場合のみ使用する。

END===

 

ということで、

マスクの項目が削除されてる!!

ということは、おおっぴらにマスクしてもOKなのね〜♪

 

 

今朝は、マスクについてのこんな新聞記事も。

アジア諸国でコロナウィルス封じ込めに、マスクが役立っている可能性がある、という新エビデンス(証拠)をWHOがレビュー(査読)

www.theage.com.au

 

同じく、ザ・ガーディアン紙

www.theguardian.com

 

マスクの使われ方

 

医療現場では、医療従事者が感染を避けるために、Personal Protective Equipment(PPE)として着ける

 

一般では、感染している人がウィルス拡散防止のために着ける

 

 

「原則」をどこに持って行くか。

 

元気な人も無症状感染しているとするなら、みんながマスクした方が感染拡大を防げますよね。

 

マスクの話で、拡散されているフェイスブックの投稿。

 

 

この方のだんなさんが言うことは、話半分で聞かなければなりません。

なぜなら、マスクを売る立場の人だから、残念ながら利害関係ができています。

 

 

ブラウン運動について、私、高校時代勉強してないので、全く知らず。

 

高校の科学(物理・化学・生理学など含む)の先生をしている彼に聞いたら、

 

それは理論上でね、と。

 

物理学の理論上空気は液体である。

 

へ?

 

空気は気体、と普通は思いますよね?

 

でも物理学的には空気は液体で、ウィルスの粒子は液体に浮かんでいることが前提。

 

理論上、粒子は液体の中でブラウン運動Brownian Motionを起こし、繊維に付着する。」

 

私の彼の説明では、

 

空気は液体である。

 

空気の湿度の影響あり。

 

呼気(人体が吐きだす息)は、水と二酸化炭素でできている。

 

なので、マスクを着用して息を吐きだす時に、マスクが粒子の拡散を防止できるかどうかは実験で実証できる。

 

ただし、空気中の水分は、家の中、外、QLD、ビクトリア、様々なので、湿度との関係が重要。

 

理論的に、空気が湿っているほうが、吸気でもマスクの効果を得られる。

(だから京都大学の宮沢孝幸先生は梅雨に期待しているんですね)

 

理論はラボ内環境、宣伝されているような、マスクで%感染を予防できると書いてあるのは、人体から出る呼気に対しての効果。

 

 

では現場では?

 

医療従事者のPPEとしてのマスクの効果を調べた、UNSWとハノイの病院のRCT共同研究では、布マスクは、効果どころか害があるという結果。

https://newsroom.unsw.edu.au/news/health/cloth-masks-%E2%80%93-dangerous-your-health 

 

BMJ掲載論文はこちら

https://bmjopen.bmj.com/content/5/4/e006577.full

 

布マスクが使われているベトナムには、こんな研究も。

https://www.ijidonline.com/article/S1201-9712(12)00655-8/fulltext

 

なので、結論としては、

 

無症状感染していることが前提で、自分の吐きだす息によって人に感染させないことを目的に、マスクを着ける。

 

そうすると、布でも、医療用でも素材は問わず、マスクの効果がある。

 

 

明らかにウィルスの多い医療現場で、感染しないこと(予防)を目的にする場合には、布マスクでなく、N95レスピラトリーマスク。

 

というわけで、公衆衛生としてコロナ感染拡大を防ぐには、マスクは(素材はなんであれ)有効だろうということになりますね。

 

しかも、マスクを着けて呼吸すると、吐く息に含まれる水分がある程度残るので、気道は湿度を維持できます。(空気が乾燥しているほど、モイスチャー効果は高い)

 

鼻、口、気道の粘膜がしっかり免疫バリアとしてはたらくには、湿度が必要なんです!

 

というわけで、マスクをつけると免疫維持にもなるんですね。

 

 

オージーも、自衛のためでなく他衛(造語)のために、マスクしてほしいと切に願います。